Acerから販売されている、「VG270UF3bmiipx」を今までFPSゲームを数千時間プレイしてきた視点から、FPSプレイヤーに向けたレビューや著者がメインモニターとして使用してきた、BenQ ZOWIEのXL2566K等と比較して、どうだったのかを解説します。
基本スペック
パネルサイズ | 27インチ |
液晶パネル方式 | IPS、非光沢、バックライト: LED |
リフレッシュレート | 320Hz |
最大解像度 | 2560×1440(WQHD) |
応答速度 | 1ms (GTG) / 0.5ms (GTG, Min.) |
表示色 | 約10億7000万色(8bit+FRC) |
色再現性 | DCI-P3 90% |
輝度 | 250 |
HDR | HDR10 |
入力端子 | HDMI 2.1×2、DisplayPort v1.4×1 |
音声入力端子 | 非搭載 |
ヘッドホン端子 | 搭載 |
スピーカー | 2W + 2W ステレオスピーカー |
VRB/MPRT | 対応 |
VESAマウント | 100×100mm 対応 |
FPSプレイヤーとしてモニターに絶対欲しい要素の高いリフレッシュレート(320Hz)、早い応答速度応(1ms)をどちらもクリアしており、なおかつこのモニター解像度は2560×1440(WQHD)対応のハイスペックモニターです。
値段も2025年9月時点で、約35,000円と比較的手の出しやすい価格帯。
在庫の無い期間も存在していますが、定期的に入荷しています。
実際に使用してみてどうだったのか?
著者はメインモニターとしてBenQ ZOWIEの「XL2566K」、サブモニターとして「XL2546K」を使用しています。
今回はサブモニターを「XL2546K」から「VG270UF3bmiipx」にする目的で購入しましたが、初めて使用するWQHD対応モニターでしたので、一週間程メインモニターとして使用してみました。
先に、以前からメインモニターとして使用していたXL2566Kとのスペック比較から。
スペック比較
項目 | Acer Nitro VG270UF3bmiipx | BenQ ZOWIE XL2566K |
パネルタイプ | IPS(非光沢) | TN(Fast TN) |
画面サイズ | 27インチ | 24.5インチ |
解像度 | 2560×1440(WQHD) | 1920×1080(Full HD) |
リフレッシュレート | 320Hz | 360Hz |
応答速度(オーバードライブ) | 0.5ms | 0.5ms |
その他 | VRB(黒挿入機能) | DyAc+(黒挿入機能) |
参考価格 | 約35,000円(2025年9月時点) | 中古品で約70,000円(2025年10月時点) |
FPSゲームをプレイする上で気にする箇所ですと、スペック上は値段の差以外ほぼ差が無いように感じます。
・実際に使用してどうだったのか?
最初に何も設定せずに繋いだだけの状態だと、画面が暗いと感じましたが、設定からガンマ、色温度、輝度、最大輝度、コントラスト等を弄ればまったく問題のない綺麗な画面に設定可能でした。
初期設定では英語表記なので設定画面の「OSD」、「Language」から「日本語」を選択するのを推奨。
27インチとFPSでよく使われている24.5インチよりちょっと大きいですが、モニターを相当顔近くに持ってきている方でなければまったく問題ないと感じました。VALORANTでマップを見る動作も違和感ありません。
・残像感、応答速度
「VG270UF3bmiipx」が320Hzで、「XL2566K」が360Hzと差がありますが、実際にモニターを横に並べてデスクトップでマウスカーソルを動かした際は多少の差はありましたが、実際のゲーム内(Apex,VALORANT)だと、残像感等はまったく差を感じられませんでした。(XL2566K DyAc+オフ)
ApexLegendsですと300Hzまでしか対応してないので、ここの差は無しと言ってもいいです。ただし高FPSが出なかったとしても、モニター自体が高いHzに対応していれば、残像感や遅延が減るので高いほどいい項目ではあります。
応答速度が設定次第で0.5msですが、「VG270UF3bmiipx」は、応答速度を極度(extreme 0.5ms)に設定すると、オーバーシュートが発生して体感出来る滲みや残像感があるので、ノーマル(1ms)に設定する事になります。
「XL2566K」に関しても、DyAc+とAMAの設定次第で応答速度0.5msですが、実際にはAMA(応答速度)は「プレミアム」よりも「高」が推奨されており実際の数値は不明。
しかしプレミアムに設定しても違和感は無いので、この辺りは2566Kや他のモニターが非常に優秀。
・黒挿入機能について
「VG270UF3bmiipx」には、VRB(Visual Response Boost)という残像感を減らす、黒挿入技術が付いてますが、使用するとがっつり輝度が落ちる為、かなり使いづらいです。
オフ、ノーマル、極度(extreme)が選べて、ノーマルですと設定次第でギリギリ見やすくなりますが、それでも使わない方がいいレベル。
「XL2546K」や「XL2566K」のDyAc+(黒挿入)技術は、プレミアムに設定してもまったく違和感のない設定にする事が可能で、黒挿入(DyAc+)技術での差は大きいです。
しかし長年「XL2546K」や「XL2566K」をDyAc+をプレミアムで使用してきて、比較の為にオフにしたり色々試しましたが、DyAc+の有無で勝敗に差が付く程では無いな、というのが感想でした。
プロでもDyAc+をオフにしているプレイヤーいたりするので、黒挿入技術は気にし過ぎない方がいいのかもしれません。
・WQHD解像度について
WQHD解像度対応の為、ネイティブでプレイする場合は2560×1440になり、PCスペック(主にGPU)が必要になってしまいますが、FHDのネイティブ(1920×1080)と比べた場合にかなり画質が向上しており、撃ち合い時の視認性アップは非常に恩恵を感じられました。
PCスペックが課題になってしまいますが、スペックが足りているのであれば、WQHDモニターの方が、撃ち合い単体で見た際の勝率は上がる可能性は高いです。
APEXで2560×1440の解像度を300FPS以上張り付きで出すのは、かなりスペックが必要になりますが、VALORANTもしくは240FPSでいいのであれば、比較的達成出来る範囲だと思います。
また、WQHD対応モニターの恩恵を一番受けるプレイヤーは、引き伸ばし解像度でプレイしているプレイヤーで、WQHDモニターにする事で、FHDモニターでは考えられない程の画質で引き伸ばし解像度を使用する事が出来る為、非常にオススメが出来ます。引き伸ばす事によって、ある程度負荷を減らしFPSを稼ぐ事も可能です。
モニター本体の機能とはあまり関係ありませんが、付属のスタンドが傾きを調整できるくらいなので、FPSゲームを快適にプレイ出来る環境にしたい場合はモニターアームが必須です。VESA100×100mm対応で取り付けも非常に簡単でした。
まとめ
「XL2546K/XL2566K」等と比較しても、残像感や遅延がほぼ気にならず、FPSゲームをメインにプレイする方でも問題なく使っていけるモニターで、PCスペックが足りている方や引き伸ばし解像度でプレイしている方には特にオススメ出来るモニターです。
今からPCを買って本格的なデバイスを揃えたい方などでも、無理して高額なモニターを購入するよりは、手頃なモニターを購入して、もっといいPCスペックにしたり、周りのデバイスを揃えるのにお金を使う事をオススメします。
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